投資用アパートを新築する際、「どこに建てるか」は成否を大きく左右します。都市部の賃貸市場が成熟しつつある今、投資家にとって次なる注目エリアとなっているのが、「工業都市」における堅実型新築アパート投資です。
今回は、新潟県を舞台に、上場企業の工場集積地としての安定性と、1K〜1LDKタイプの高稼働賃貸物件戦略について、具体的な数値と共に解説します。
新潟県は「製造業×地方都市型賃貸」の有望地
新潟県と聞くと農業や雪国のイメージが強いかもしれませんが、実は**製造業出荷額が約4.9兆円(全国17位)**という、**北陸・東北エリア屈指の“工業県”**です(令和4年工業統計調査より)。
特に、燕市・三条市・長岡市・上越市・新潟市東区などでは、精密機器、金属加工、電子部品、工作機械などの分野で上場企業や老舗メーカーが集積。こうした企業群が、地元雇用と賃貸需要の安定供給源となっています。
新潟県に拠点を構える主要上場企業(2025年時点)
企業名 |
所在地 |
従業員数(概算) |
主な事業内容 |
TDK株式会社 |
佐渡市・上越市 |
約1,800名 |
電子部品・磁性材料 |
コロナ |
三条市 |
約1,200名 |
家電製品(暖房機器・給湯器等) |
スター精密 |
燕市 |
約900名 |
工作機械・精密部品 |
理研計器 |
長岡市 |
約600名 |
ガス検知器・センサー技術 |
NSGグループ(日本精機) |
長岡市・新潟市 |
約2,000名 |
自動車・産業用計器 |
これら企業では、地元採用・全国転勤型社員・関連会社出張者などが混在し、1K・1LDK賃貸住宅の安定需要を形成しています。
賃貸需要と家賃相場(1K・1LDK)|2025年現在
以下は、新潟県主要エリアの家賃相場(概算)です。
エリア |
タイプ |
面積目安 |
家賃相場 |
新潟市東区 |
1K |
約24㎡ |
4.7〜5.2万円 |
新潟市東区 |
1LDK |
約35㎡ |
5.8〜6.5万円 |
長岡市 |
1K |
約23㎡ |
4.3〜4.9万円 |
長岡市 |
1LDK |
約34㎡ |
5.5〜6.2万円 |
燕市・三条市 |
1K |
約22㎡ |
4.0〜4.5万円 |
燕市・三条市 |
1LDK |
約32㎡ |
5.0〜5.8万円 |
新築アパートであれば、上記賃料に+0.5〜1万円のプレミアムをつけることが可能です。特に1LDKは法人契約や女性入居者、DINKS層からの人気が高く、長期入居率も上昇傾向にあります。
新潟でのアパート投資が有利な理由
1. 工業雇用が生む“実需型賃貸需要”
このように、人口減少の影響を受けつつも、製造業の求職者循環が賃貸市場を支えています。
2. 車社会×工場立地 →「通勤10分圏」が好条件
ほとんどの製造業従事者は車通勤です。
そのため、勤務先工場まで車で10分以内の立地は非常に人気があります。主要幹線道路沿い、工場団地周辺の住宅地に建築することで、安定的な賃貸需要と回転率の確保が可能です。
3. 1K+1LDK混在構成による柔軟な運用
1K:20代単身社員、派遣スタッフ、出張者向け
1LDK:30〜40代社員、DINKS層、女性単身者、法人契約向け
1棟の中に1K×4戸 + 1LDK×4戸などの構成を取り入れることで、複数ターゲット層への対応と空室リスクの平準化が期待できます。
設備充実で選ばれる新築アパートに
差別化ポイントとして、以下の設備を導入することで競合物件との差を明確化できます:
-
無料Wi-Fi(必須化傾向)
-
宅配ボックス
-
独立洗面台
-
浴室乾燥機・追い焚き(1LDK)
-
ウォークインクローゼット
-
高断熱・高気密仕様(寒冷地対応)
新潟の冬季事情を考慮した設備設計は、長期入居にも好影響を与えます。
まとめ:雪国の中に潜む“堅実な収益源”
新潟県は、表向きには観光・農業のイメージがありますが、実は地方都市としては極めて安定した製造業の基盤を持つ「工業都市型不動産投資の狙い目」と言えます。
-
地価・建築コストは都市部の6〜7割
-
実需ベースの賃貸需要が常に存在
-
1K+1LDKの組み合わせで多層的ニーズに対応
都市部の過剰競争から距離を置き、**「地元雇用に根ざした堅実な不動産投資」**を実践したい方には、新潟県でのアパート投資が大きな選択肢となるでしょう。